ハコヅメ別章『アンボックス』の感想。

皆様は『ハコヅメ』という漫画作品をご存じでしょうか?


『ハコヅメ~たたかう! 交番女子~』というドラマにも進出したので、ご存じの方も多いかもしれません。
私も視聴したのですが、とにかく戸田恵梨香さんがイケメン女子だったな…姐御!


それはさておき。ざっくりとご紹介すると…
安定収入っていいんじゃね?というノリで警察官になった川合さんと、超美人&刑事部のエースでありながらも、パワハラ(?)で交番に飛ばされた藤さんが主軸のお話。

交番勤務女子2人とその他一癖も二癖もある、ある意味愉快な警察官が織りなすあるあるお仕事備忘録です!
コメディーもありますが、シリアス展開もリアル警察官の生態もシャッフルされていて飽きない作品。
一話完結!?のような仕上がりに見えて実は伏線が!?というところも魅力。

著者の泰三子(やす・みこ)さんは、某県警に10年勤務していらしたとのことで、その経験が存分に行かされている漫画ですね。

…というか、職業の転身具合がスゴくないですか?
凄まじい決断力と行動力だなぁ、と尊敬致します。


通常の『ハコヅメ』も面白いのですが、今回特にお話ししたいのは…

↓そのハコヅメの別章である『アンボックス』という漫画。

別章ということもあり、主人公サイドではなく仲間の警察官のお話。
とある女性の警察官が今まで生きてきた環境を、簡潔ではありますがギュッと濃縮し、それを警察官人生に絡めて描き切っています。
事件が生々しいのとコメディーがほぼないので、いつもの『ハコヅメ』の感覚でページを開くと結構重たいです。

しかしながら、販売サイト等で見る限り評価はかなり高い。

いつもと違った雰囲気であっても、惹きつけてやまない内容であることは私も保証します。
私の保証なんて不要なくらいの内容。
安っぽい正義とか、校長先生のペラペラに薄い訓話なんか比にならないぜ…

さて、今回の漫画の主人公である女性。
元々警察官向きではない小柄な体格。
適性は客観的に見て微妙かも…という感じです。

印象的なのは…
「多数の人が振りかざした『正義』から追われるような環境で育った」
という言葉。

内容を細かくここに書くとネタバレになるので控えますが…

『何も知らないくせに、安っぽい正義感を吐き出す人々の醜さ』

『叩けるところ(叩きやすいところ)を叩いて、独善的な気持ちよさに酔う気持ち悪さ』


『言葉の暴力が積み重なれば…言葉だけで簡単に人は命を削がれる』


感情の種類はどうであれ、強い感情の『掃き溜め』もしくは『肥溜め』になる息苦しさ。
色々な感情や感想が渦巻かざるを得ない作品。

特殊な境遇でなくとも、皆様にも経験があると思います。
特に互いの利益が絡み合っている仕事関係では顕著かもしれません。


「正論を言われているのは分かるけど、私の表面の薄皮だけしか見てくれていないのでは?」

「自分のことを最初から否定するつもりで『正義』を都合よく使われている気がする…」


「そもそもストレスのはけ口として私が利用されてないか?」


誰しもが思ったことがあり、感じたことのあることがこの漫画を通して鋭利な刃物として刺さる…



是非、読んでみて下さい。
私自身、お腹の奥あたりがグッと圧迫されたかのような気づきがありました。

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