あ、人の名前じゃないっす。『なおみ』じゃないヨ。
美容医療の世界で、近年よく議論されている言葉である『直美(ちょくび)』のことっす。
これは『直接美容医療』の略であり、医師が初期研修(2年)を終えた直後に一般診療の経験をほとんど積まず、そのまま美容クリニックに就職するキャリアのこと。
通常、医師は初期研修の後に各診療科で後期研修を行い、数年間の臨床経験を積んで専門医を目指すらしいんですが…
しかし美容医療は自由診療が中心で給与水準が高く(まぁ、そういうシステムなんだから仕方ないのかもだけど)…当直や救急対応が少ないこともあり、若い医師にとって魅力的な進路です。
あくまでほんの一例ですが…
男性医師「過酷な保険診療現場より、楽だし稼げてやりがい(意味深)があるわな♪」
女性医師「結婚・出産を考えたら働きやすいわね…♪」
こんなことを考えて行動する人も多いでしょう。
そのため近年は『直美』で美容医療に進む医師が増えていると言われています。
一方で、この流れには懸念の声も。
美容医療でも麻酔や出血、感染など医療的なトラブルが起こる可能性はもちろんある訳で…
臨床経験が少ない医師では対応が難しいケースもあると指摘されています。
つまり、美容医療の尻ぬぐいを保険診療でやるケースもありえますよね。
「自分のケツ(美容医療)は自分(美容医療界隈)で拭けよ!」
と思ってしまう医師もいそうです。
また、産科や小児科、救急など医師不足の分野がある中で、若手医師が美容医療へドッサリ流れることを問題視する意見も。
特に国の税金を使っている国立大学出身の人がその選択をすると余計批判が来そうだなぁ…と個人的には思います。
「税金ドロボー!おまわりさん、あそこです!」
みたいに思う人も少なからずいそう…
さて。
最近、この『直美』が悪い意味で再び話題になっています。
とはいえ、いきなり燃え上がったというよりは、以前からくすぶっていた問題がじわじわと再燃している、という印象ではあるけど。
「どうしてまた?」
「何かきっかけがあったの?」
そう思う方も多いでしょう。
どうやら、かつて医大生だった女性のyoutubeチャンネルが再始動。
めでたく医師となってから再び…
「直美としてこれから活躍していきます!」
と発信したことが、大きなきっかけになったようです。
彼女のチャンネルは医大生当時でもかなり大きく影響力もあったから、反響がなおさらものすごいんでしょうね。
まぁでも…それだけならここまで問題視されなかったかもしれません。
実は動画の中で、保険医療や患者さんを軽んじるようにも受け取れる発言があり、視聴者の反発を招いてしまった模様。
私も少しだけ彼女の動画を見てみました。
正直なところ、あまり気分の良いものではありませんでしたね。
医師としてはまだ駆け出しと言える立場にもかかわらず、かなり断定的&ある種偉ぶって医療について語っている様子を見ていると、どうにも違和感を覚えてしまう…
「片腹痛いわ!」
――などと思ってしまったのが、正直なところです。
言葉の端々から、どうしても薄っぺらい議論や言い訳のように聞こえてしまう部分があって…
同業者であり結構な規模のyoutubeチャンネルを持つ、高須幹弥(高須クリニック)さんも名指しはしてないけど、痛烈な批判をしていました。
『直美』そのものについても、容赦なく!
彼は、このような本(Dr.高須幹弥が教える 美容整形の教科書)を出すくらい、美容医療と業界に向き合っている方なので、ご興味があればyoutube動画や本を読んでみて下さいませ。
もちろん…
医師にもキャリア選択の自由はあるでしょう。
美容医療も立派な医療の一分野です。
ただ、当たり前ですが…医療という仕事は医師だけで成り立つものではありません。
患者との信頼の上に成り立っている以上、その発信の仕方や態度が厳しく見られるのもまた当然のこと。
色々考えさせられる出来事でしたね。

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