相続で取得した土地を国に返せる?国庫帰属制度とは。

過去に祖父母から父母への相続について、書かせて頂きました。
簡単に説明をすると、預貯金等は別として、土地や建物を引き継いだ時は固定資産税や維持費等でお金や労力がかかるということが書いてあります。
もちろん、都会であったり、利便性、利用価値の高い固定資産なら売買や貸借が出来て負担にはならない、それどころか棚ボタラッキーみたいなこともあり得ますが、世の中全てそういう固定資産ばかりではありません。
そして遅かれ早かれ、両親が亡くなった場合は次の子供世代にそれらがまた引き継がれる訳です。



悩ましく思って、色々と調べていたところ見つけたのが近々(2023年)施行が決定している
『国庫帰属制度』
分かりやすいサイトのリンクを貼るのが適切なのでしょうが、結構切れてしまうことがあるので、詳しくはグーグル先生の検索等でご確認下さい。

相続や遺贈で土地の所有権を取得した人が、土地を手放し国庫に帰属させることを可能にした法律です。

『お、いいじゃーん。メンドクサイ厄介な土地をお払い箱に出来るぜーイエーッ☆』
と思われるかもしれませんが、残念ながら滅茶苦茶条件が厳しいんですよね。


そうそううまい話はないんだなと感じる条件がいくつもあります。

・建物が建っているとダメ


・担保権等の権利が設定されてあるとダメ


・通路や他人が使用する予定のある土地はダメ


・汚染されている土地はダメ


・境界があやふや、争いが起きている土地はダメ


・崖があって、あまりにも管理が面倒くさい(費用、労力)土地はダメ


・工作物、車両や樹木等邪魔なものがある土地はダメ


・地下に面倒くさいものがある土地はダメ


・ゴタゴタトラブル(例えば隣接する土地所有者等)がある土地はダメ


・とにかく管理や処分に際して、たくさん費用や労力がかかる土地は嫌!ノーサンキュー!(念押し)


ざっくり過ぎる感じに言うと、このようなイメージ。
場合によっては該当する土地の実地調査も受けることになります。


この土地を国にお願いしたい、という承認申請がもし認められても10年分の管理に要する費用の納付が必要になってきます。
土地の面積や状態等によって費用の額は異なるんでしょうが、単純に草刈りのみを10年間やるとしても数万円ってことはないですよね…多分。


以上のことから…うーん、最初はいいなと思っていた制度ですが、微妙と言いますか、かなり役立たずの制度だ(以下自重して、省略)
処分(売買、貸借)や管理(費用、労力)が大変だったり、難しかったりするからこそ、国庫に帰属したいのに、これじゃあ本末転倒というか、ぬか喜びで何だかなぁ…と、当事者である私は特に思うのです。

これでドヤ顔をするのだろうか?
いい制度作ったろ?日本国民よ…ドヤドヤドヤドヤ…

管理が楽で、クリーンな土地は頂くけど、それ以外は要りません♪(by国)

皆様はどのように思われますか?


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