『なにより私に好かれたい』の感想!

「考える漫画」
だな、というのが第一印象。
「話がブツ切りになっている?すっきりしないなぁ」
と感じるのか…
「あえてその先を描かないことで、読者に想像させるのウマいわ~」
と感じるのか…
人によって分かれる作品な気がします。
ちなみに私は後者です。

今回は…

『なにより私に好かれたい』の感想を語っていきたいと思います。

それぞれのお話について触れていきます。

①容姿コンプレックスを抱えた女性

メイクを覚える前の女の子は、仲間内では人気者という名目の笑い者なピエロだった。
周囲の子達の悪意があるんだかないんだか不明の酷い例えや笑い声が、彼女の心をエグっていた。
…蝕んでいた。

その後、メイクを覚えた彼女は日々の平穏を手に入れて満足していたけど…
昔の素顔(メイク前の状態)を知る友人(もどき)は、彼女に昔に戻って欲しいようで…というお話。

よくありがちな…
「人は外面じゃない。内面だ」
という一見ド正論ご都合結末をぶち壊すような内容です。

「バッチリメイクだろーが、ノーメイクだろーが、自分が好きで納得出来る方でいいんじゃね?」
という強烈なメッセージを感じます。

昔の友人もどきが、恐らく悪意なく無意識で彼女を小馬鹿にしていた(いる)感じがメッチャリアル!

個人的一番のイライラポイント(誉めてます)ですね!
(あー、いるよなーこーゆーヤツ)

②人間関係コンプレックスを持つ真面目なOL

陽キャと陰キャ(あえてこう言います)どちらもきっと悪くないんだろうな、と読んでいて思います。
それぞれ生き方が違うというか、視点・思考が違うだけなんだろうな…
いやそれがすごい差になるんだろうけども(^^;)

少なくともお互い意図して傷つけたい訳ではない。
…でも波長がどうしても合わない。

それをさらりと自然に表現する手腕がスゲェ…作者さん!


③八方美人の男性

要領よく上手く生きているようで、一番息苦しい人生なのかもしれない。
常に溺れるのを恐れているような切迫感が伝わってきました。

いつでも『演技をするスイッチ』を押す準備をして、自らそれを連打する人生の行方は…?

④厳しい親に圧迫される高校生

いくら親とはいえ、所詮過去をバリバリ引きずっている1人の人間でしかない…しかしながら、その見苦しさは異常。
その過去を子供に継承させる親の毒々しさよ…
キツイ…

子供の『個性』を破壊してしまう勢いが…現実味の極み。

この本の特徴は…

結末が分かりやすいハッピーでもスッキリでも胸クソでも…何にせよ、振り切って終わらないところ。
読者が考える余地をだいぶ残していると思いますね。

作中に登場する人物の『誰』に共感出来るのか、してしまうのか、または全く心に響かないのかでこの本に対する感じ方が違うと思います。

「パクチーはおいしいか?おいしくないか?どっちなんだい?」
みたいな気分になる(スミマセン、上手く言えない)

とにかく『グサッと刺さる本』には違いないので、是非『なにより私に好かれたい』読んでみて下さいませ。

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