『就職氷河期世代の経済学』を読んだ感想。

永濱利廣さんの著書『就職氷河期世代の経済学』を少々読ませて頂きました。


ちなみに『客観的なデータ』という点だけに着目するのなら、以前ご紹介した『就職氷河期世代』【近藤 絢子】という本もおすすめ。
※詳しくは以前のブログのこちらで語っているのでよろしければ見てね。

永濱さんは経済に特化・精通した方。
専門家視点からの『就職氷河期世代』は、見応えというか納得感が半端ない。

しかしながら、いきなり本を手に取るよりもYouTube(【永濱利廣】と入力すれば、経済系のチャンネルに出演している彼の動画が見られると思います)から見て欲しいなと個人的には思ったり。

彼自身のカラーや性格等がはっきり分かるのはもちろんですが、『経済』『お金』を軸にし徹底的に分析する!という意気込みが伝わります。
真剣味と熱意も感じますしね(どこから目線!?)

しかし少しだけ辛辣に言わせて頂くと、彼が男性ゆえなのか女性の視点(境遇)については若干疎いのかなという印象も同時に受けました。
その分、同年代の男性の支持は多そう。

あ、本の内容ですよね…すみません。

さて。
『就職氷河期世代』という言葉は、世間にかなり浸透していると思います。
…私も含め、当事者達はかなりの人数だし。
仮に興味ゼロの人がいたとしても、ガン無視は難しいレベルかと。

そして…
「ああ、就活が厳しかった世代でしょ?かなりの高学歴も軒並み狭き門だったらしいね?」
といイメージだけが強いのでは?

しかしながら、この本。

就職活動の悲哀だけでは終わらず、『就職氷河期世代』のその後の人生(予想される将来も含む)を追いかけ、細かく分析。

特定の世代を分析することによって、それ以外の世代…つまり社会全体に長期的なダメージを与える負の連鎖が分かります。

何というか…ひたすらもったいないよ。
政治が、パッパラパーおバカじゃなければな~と思わずにはいられない。
結果的に無策同然なのが、こんなにも『悪』になるんだな…
一応、私自身こういうの(就職氷河期世代は厳しい。ジョブカフェ体験談)も経験しましたけど…うーん。
ぶっちゃけ微妙でしかない(^^;)

もはや『個人の努力不足』『自己責任』というステレオタイプは耳タコ。
つまんないし、聞き飽きた。

個人がなんちゃら~が本当に正しいのなら、こんなにも幅広い多くの人に悪影響を及ぼさないだろうしね。

就職氷河期世代に正社員として採用される機会(当時はその働き方が圧倒的王道で安心ルートだった)が極端に提供されなかった事実は、制度や日本の会社システムや慣習によるところが大きいのは確か。

そこをずーっと放置プレイして、のほほんとしていた国も罪深い…
さぞかし優秀な頭脳が集結しているだろうから…
「僕ら(私ら)は、こうなるなんてぜーんぜん予想出来なかったよぉ。景気もあっさり回復すると思ってたしぃ♪」
というお花畑全開の言い訳なんて通用しないぞ!

特にキモく恐ろしいのは、運よく就職氷河期世代が『正社員』として採用されて今まで生き抜いてきたとしても…

「はぁーい。早期退職制度実行しまぁ~す♪」
(有象無象の年寄りは、お払い箱!)

「人事制度変えま~す♬」

(どさくさに紛れて給料下げます!)

「同一労働同一賃金やで!」

(人によっては不利になるけど、まぁバカ共は分からんだろ)

せっかく手に入れた地位(新卒でも中途であっても)が脅かされているのが、現状。
「どこまでも、どこまでも追いかけてやる…貴様らを地獄へ送るまで!!」
と言われているようだわ。

これは就職氷河期世代に限らず下の世代にも波及していくだろうから、対岸の火事とは言っていられない状況。

是非、YouTube動画と一緒に『就職氷河期世代の経済学』読んでみて下さいませ。
永濱さんは、その筋では有名な方なので図書館にもあるかも…?

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