まぁ、もちろん一部のお年寄りという限定条件が付くとは思います。
概ねとんがりまくって捻くれた方でなければ、美容師が話しやすいのはお年寄りなのではと思っている私。
仕事や煩わしい諸々を引退して時間と心に余裕があり、場合や人によってはお金に余裕もあったりすると人柄が穏やかになるのは必然と言えば必然。
せかせかと、習い事に部活、勉強、仕事や家庭等をこなす世代と比べれば。
ところで、私は髪をカットする時、格安美容室にお世話になります。
カットされている間は、大抵大人しく目を閉じて寝ている風にじっとしています。
そうすると、耳が近くの会話を自然に拾ってしまうんですよね。
不可抗力です。
とある1人の老婦人が来店される。
おばあさん「一泊旅行が決まってね。急だけど今日美容室に来てみたの…」
近々旅行に行く為、身だしなみに気合を入れる様子。
どうやらカットはOKだけど、カラーが受付不可な時間だったらしい。
ちょっと確認してきますね、と裁量権のある方に聞きにいくお兄さん。
美容師「今日は特別にOKだそうです。本当なら〇時〇分までなんですよ、ヘアカラーは」
おばあさん「そうなの?でも良かった。お願いするね」
おばあさんのカット開始。
典型的なおしゃべりが大好きな陽気なお年寄りという感じ。
おばあさん「…私の化粧が○○でねぇ…」
美容師「いや。元がいいですから~」
おばあさん「(笑)」
全く調子がいいお兄ちゃんねぇ…という感じに笑っていましたが、気分を害した様子はなく。
逆に話がどんどん盛り上がっていきます。
おばあさん「私、血圧が高いくらいで健康なんだよ」
おばあさん「調べて貰ったり(多分、健康診断のような)はしないから、何かあったらその時は死ぬ時だね」
ハハハハ…と豪快に笑う、おばあさん。そんじょそこらの漢より、漢らしい潔さ。
それを動揺しないで受け止めて流すお兄さん。
おばあさん「もう、いつどうにかなったっておかしくない歳だからさ」
美容師「若い人だっていつどうなったっておかしくないですもんねぇー」
おばあさん「まぁねぇ。でも確率的には年寄りがやっぱりさぁ」
先にあの世に逝く訳よ、みたいなやり取りをしながらも淡々とカットを続けるお兄さん。
前述したように格安美容室なので、幅広い年齢層や境遇の方が雑多に訪れる場所だと思います。
なので、きっと毎日様々な方の対応をしていて、相当鍛えられているんだろうなぁ…
美容師としての技術はもちろんですが、精神的にも。
特にお年寄りは現役世代と違って収入が少ない方が多いので(一部の貯め込んでいる方は別枠として)このような美容室は、個人的には結構利用するのでは?というイメージになっています。
美容師さんにとっては、丸くなったお年寄りは概ね話しやすいんじゃないかなーと思います。
向こうから大体勝手にペラペラ話しかけてくれますし、多少失言しても子供や孫みたいに大目に見てくれたりもしたり…もちろん甘え過ぎてはいけないんですけどね。
胸を借りる…といいますか。
相変わらずよく分からない雑談に最後までお付き合い頂きありがとうございました!
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