墓じまいして永代供養…住職からの話

それは遡ること祖父のお葬式の前日。
喪主である私の叔父と、私の母、そして私の計3人で菩提寺の住職を訪ねました。
明日のお葬式についての顔合わせ兼打ち合わせ、供養の謂れ等色々とお話させて頂きました。


住職「○○さん(祖父のこと)は、外で見かける度にいつも田んぼや畑をやっておられて…寡黙なところはありましたが、勤勉な方でしたね。戒名もそれにちなんでおります」


住職「男性で90代とは…私の寺でも横綱級ですよ。私も見習わなくてはいけません」


そして住職からは決してお布施〇円下さい的なことは口にしないのですが、大体のお布施金額の目安が書いた紙やお寺のついての紙を渡されました。
昔はどうだか分かりませんが
『お気持ちだけで結構ですよ』
と言われても…
『お気持ちって金額に表れるよね…どのくらいなのだろう』
と悩ましい問題ですよね。地域や慣例はもちろんのこと、戒名の種類によっても違ってくるだろうし…
一般の方はそんなに頻繁にお葬式に深く関わらないし…
こういう『相場』が知れるのは安心出来ますね。



さて、そんな感じでつつがなく打ち合わせは進んだのですが。


住職「お葬式がまだなのにこんなこと言うのもあれなんですが…」


一同「……?」


住職「お墓はこれからどうしますか?」


叔父の生活拠点は東北。母は嫁いで姓が変わっています。
近所の菩提寺なので大体の家族事情は把握しているようでした。


住職「今は2人とも(叔父と母)元気だけど、いつまでもそうではないですからね。いずれ墓じまいしてウチと一緒にする(つまり永代供養墓)ことになるでしょう」


そうですね…いずれは…と2人は答えるものの、今後の具体的なことは何も決めませんでした。
正直、明日のお葬式のことで頭がいっぱいでした(^^;)


住職「管理していない荒れた墓を見ると不憫でね…近所の人も心配するんですよ」


私「それでも、そのままにしておくのは…お金がかかるから、なんですよね…」


住職「………」


住職の立場からは、それには答えられないということでしょう。
お墓を引き継いだ人であろう人も、管理するにしろ墓じまいする(お墓から魂を抜く&お墓そのものを解体する等)にしろ、お金が掛かります。
荒れ果てたお墓を見て心配や同情する近所の人だって、口は出しても実際にどうにかしようとする(清掃や周りの草刈とか)とお金が掛かるし…
その状況を知っているお寺だって、慈善事業していると生活が成り立たない訳で。


昨今の空き家問題は皆様もご存じかもしれませんが、その空き家の持ち主だった人が墓守していたお墓が荒れ墓になったりもしていそう…
個別の社会問題が様々なところでリンクして連鎖しているような感覚を覚えます。

最近、祖父関連の話ばかり書いていますが、本当に学ぶべきと言いますか…考えさせられることが多いです。



コメント

  1. deds より:

    墓じまいしたら自分が死んだときどうなるんだろうな?それがいつも疑問なんだよ。

    • ある より:

      住職にお話を聞いたら、子供のいないご夫婦やおひとりさま等のお寺での永代供養があるみたいです。自分の後継がいなかったり、配偶者親族と折り合いが悪かったりした時の選択肢としてもこの永代供養や、樹木葬や海洋葬等(もちろん自然や海が大好きだから、という遺志もあると思います)があるようです。恐らく、事前に自分の希望を葬儀屋さんに『終活』の一環として伝えるんでしょうね。目まぐるしく生活様式が変わるなぁ、と感じてしまいます(;・∀・)

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