ショッピングモールで出会ったお年寄りと会話

平日のある日、開店と同時にショッピングモールのフードコートに訪れました。
モールのフードコートを利用される方なら分かって頂けるかもしれないのですが、割と人目に付きにくい好スポット(隠れスポット)があったりします。

しかし、そういう場所はすぐ席が埋まってしまうのはお察し。
皆考えることは同じですね。
平日のフードコートなら
『早く帰れ。他のお客様が食事出来ないでしょ』
的な圧は全くありませんので、人気あるんですよね。
電源があって充電出来る環境が整っているところもあるので、ビジネスマンやゲーマーの男の子等も見かけます。
フードコートなので、食事はすぐに購入出来て摂れるし、水は給水所があるので飲めますし…もちろんトイレもあります。
人によっては天国かもしれません。
と、今回はそれが本題ではなく。



開店から間もなくその隠れスポットの席にドデンと座った私。少し書き物をしようかな…
そして、私の隣に座る高齢女性。
おもむろに話しかけてきました。ちなみに初対面です。


(……?)


と思ったものの、お年寄りを無下にするのも気が引ける…

女性「マスクしてて辛くないですか?」


私「息苦しいですよね」


女性「私、マスクが嫌で嫌で…」


私「でも、コロナですから付けない訳にはいかないですもんね」


女性「そうなんですよね」


私「私はいい加減諦めたっていうか…マスクが習慣になっちゃいました」


という話に始まり


女性「ここ(フードコート)でゆったりしたり、本屋さんで本を読んだりしたりするのが習慣なんですよ」


私「ここは落ち着いていて、いい場所ですよね。人もあんまり通らないし…私、最近この場所を知りました」


女性「……」


女性「………。家にいてもね、主人と喧嘩ばっかりだから、出かけて来ちゃうんですよ」


私「…そうなんですか」


(おおよその年齢から察するに、多分自分で車を運転出来る歳じゃないだろうから…)


私「このモールの近くにお住まいなんですか?」


女性「ええ」


多分それなりに裕福なご家庭なんだろうけど…
何となくこの女性と会話をして切なくなる自分がいました。

何がどうだから、とは上手く説明は出来ませんが。

この方のご兄弟は昔の人ということもあり多く、その中に妹さんもいるらしいですが仲が悪いみたいで…
(それじゃあ、一緒に旅行に行く感じでもないよな…)


コロナでお孫さんの結婚式はやらない方向になったそうで…
(何だっけこれ。泣きっ面に蜂みたいな?違うか。楽しみがことごとく潰されてる?)

恐らく世間的にこの方は、少なくとも今現在はお元気で、お金に困っていなくて、旦那さんもご健在で、ご兄弟もいて、お孫さんもいる…
絵に描いたような理想的な生活に見えるんだろうけど。

平日の昼間、私みたいな(自分で言うのもアレですが)見知らぬ他人に話しかける姿を見ると…色々と思うところがあります。

人生とは…充実感とは…何だろう…

若輩者の私には、まだ答えは出ません。
一生出ないかも。

女性「お話に付き合ってくれてありがとうございました」


私「いいえ。こちらこそ、ありがとうございました」


女性「普段、人と話さないから良かったです」


私「……」


女性「私いくつに見えますか?80歳になるんです」


私「そうなんですか?もっとお若いかと思いました。お元気ですね」

女性「お互い元気でいましょうね」


私「そうですね。機会がありましたら、また(ペコリと頭を下げる)」


女性「では」


席を立つ女性。見送る私。

私はこの少しの会話で、何かを頂いたような気分になりました。

まとまりませんが、最後までお読み頂きましてありがとうございました。

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