『退職代行』の認知度や依頼数はいまやうなぎ登りと言っても過言ではないでしょう。
皆様もあらゆるところで見聞きして、お腹いっぱいのことだろう…恐らく。

ただ、これだけ世の中に広まってきたからには結構グラデーションはあると思うんですよね。
①誰が見ても明らかな超絶ブラック企業(例えば7時出勤、夜11時退勤が常態化。高頻度で会社に寝泊まりとか)で、心身ともにボロボロで限界。
辞めたいけど、辞めさせてくれる雰囲気でもない。
いや、ぶっちゃけ辞意を伝えるのが怖い。
かたや…
②新規採用で入った企業であるものの、自分が行きたい部署に行けなかった(希望を聞いてくれなかった)から1週間で見切りをつけたい。
けれど1週間だと罪悪感と気まずさが半端ない。
…例として極端2つを書いてみましたが、濃淡があったり微妙に違いがあったりで他にも人の数だけ様々なケースがあるはず。
「当たり前だろ。これこそ『多様性』だらけだよ」
…ですよね。
私は『退職代行』を使う大義名分として①がしっくりくるとか、②はわがままでうーん?とか言う気はありません。
『コスパ』『タイパ』『プライベート』を重視する流れ(特に若い方を中心として)は、もう止まらない…
早めに無駄(と少なくとも本人は思っている)を切り落とす判断が、長い人生にとって良い場合もあります。
↓若者の複雑な生態(?)を、これでもか!と分析した本『静かに退職する若者たち』も参考になる…

「えっ!?昔の若者と違って、腹の中が読みにくいんだが?」
という方が読むと、目からウロコの一冊になると思う。
この本で、私が印象に残った内容を1つだけ言わせて頂くと…
『唯一無二の量産型』
が今の若者(が目指しているもの)っぽさ。
これは言い得て妙。
矛盾しているような気がするけど、なんか分かるなぁ…気持ち。
さて、話を戻しまして…
「石の上にも三年。経験を積むのも大事だけど?」
という業種や、考え方がある一方…
「まだまだ日本は、若さが『プレミアムチケット』なのは、知ってるよね?なら無駄骨は出来るだけ避けたくない?」
「いつまでも、あると思うな!若さと若さと若さ!そして若さ!」
これは、労働市場ではすっかり『若さ』がなくなった私自身、実感するところです。
…綺麗ごとじゃ、生きられないのさ(遠い目)
特に私と同じ就職氷河期世代の方は、身に沁みていることかと。
…とはいえ、救世主であろう『退職代行』の会社だって会社の1つに過ぎません。
会社の利益を最大限に上げる目標があるのは、揺るがない。
『退職代行』が頭をよぎったら…
「自分は、多少気まずくても自分の口から会社に辞意を伝えられるだろうか?」
「その退職代行、自分が本当に利用する価値があるの?」
「ロクにサポートもしないで放り出すことは…しないよね?」
切羽詰まった状況でなかなか冷静な思考や判断は難しいかもしれませんが、一度立ち止まって考えてみるのが大事だと思います。
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