部下に優し過ぎる人の話

一般的に必要以上に部下(同僚や、上司も入る場合もあり)に優しい人は、自己肯定感が低い人が多い気がします。


(俺なんか、たまたま運が良くて管理職になったに過ぎないし…)


(皆が助けてくれたから、マグレで出世しただけさ…)


そういう気持ちが表情に表れている方もいますね。


(そんな自分だからこそ、部下から嫌われたくない…どうすればいいだろうか)


このような方は、周囲の方の好感度アップに奔走するのではないでしょうか。
つまりは執事か侍女のごとく気遣い、優しくおもてなす…

このケースに当てはまるかは分かりませんが、私も前職で一緒に働いたことのある男性で特段、優しく物腰の柔らかな男性がいらっしゃいました。
彼は営業の花形。上司にも期待され、部下にも慕われ頼られている方でした。つまりは有能な出世株です。期待のエースです。


1つの例を出すと、私はたまたまとある集金係を仰せつかったことがあります。
集金していると実感するのですが、女性はおつりのないようにピッタリ用意してくれる方が多いです。
おつりが発生しても、大抵少々の手間で済む程度に抑えてくれます。
ただ、男性は結構テキトーな方が多くて、1万円札をドーンと出して


「おつりくれ」


という人も珍しくなく…


(ハァ…)


と思ったことも正直あります。
そんな中その優しい男性はおつりが出ないようにするために、私が集金にいった途端席を立ち、自販機へ向かいます。
ジュースを買って私にピッタリの金額で渡るよう、配慮してくれました。


(楽で嬉しいけど…集金のためだけにワザワザ悪いなぁ…)


と思いながら、当時お金を受け取っていました。

事務処理をする、いわば下々の私にも紳士的な態度にびっくりした記憶があります。


しかし、彼はやがて会社を退職する運びになりました。

詳しいことは話せませんが、もしここに書いたとしたら100%の皆様が
「そんなことしたんじゃ、辞めさせられて当然だよ」
と口を揃えるだろう大事件を起こしました。
私だってそれは100%彼が引き起こしたし、同情の余地はないと思っています。

それなのに…未だに彼を非難する気持ちにはならないんですよね。

気を遣い過ぎるが故に、優し過ぎるが故に、それが日々のストレスとして彼の心に積もりに積もっていたのではないかと。
何だか擁護っぽく聞こえるでしょうが、モヤモヤしたナニカが拭えない出来事でした。

人に対して図々しいくらいが(開き直るくらいが)会社で生き残るのには適しているの…かもしれない。










コメント

  1. deds より:

    優しすぎるがゆえに起こす不祥事ですか?
    なんだろう?
    困った人を助けるために横領してしまったとか?

    • ある より:

      まろやかな表現になってしまいますが、その方は社内ではなくて社外の他人様にオイタをしたのがバレてしまったんです。
      同情は出来ないですが、こんなことになるまで彼を追い詰めたのは果たして…?と考えると今でも複雑な気持ちになりますね…

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