『「働かないおじさん問題」のトリセツ』が重厚!

2019年以降、早期退職制度を作ったり実際に実施したりして、人員カットする大手企業が目立っております。
今のところは、40歳以上が多い印象。(私がいた小さな会社も、40歳以上が制度の対象でした)

そしてそれと同じくらい目立っているのが『働かないおじさん』です。
私のブログでも、以前から色々と感情の赴くまま取り上げている話題。
ちなみにこんな感じのタイトルです→働かないおじさん末路。おじさんの未来はあるの?


そんな私が読んで感銘を受けたのが
ひと目で内容が分かる「働かないおじさん問題」のトリセツ という本です。

様々な背景(加齢によるモチベーション低下・デジタル対応が上手く出来ない・ジョブ型雇用切り替えにあたふた等)を持つ『働かないおじさん』を大解剖…つまり分析し、感情に突っ走らず冷静に対策を書き連ねている内容が素晴らしいなと感じました。

多種多様なおじさんがいるとは思いますが、一緒くたに『彼らの努力不足』だからこそ起きていること、と片付けられない社会問題となっています。
そもそも「日本型雇用システム」の副産物にならざるを得ない…という側面も。

しかしながらありのまま放置していたら、少子高齢化にブーストが掛かり労働人口減少が加速するこの世の中で…何が起きるか…恐ろしや…

人員削減によるコストカッター=会社経営のヒーロー
というのもあまりにも安直すぎるし、それが長い目で見ると全て良い方向に行くとはとても思いません。

『働かないおじさん』ではなく、『働けないおじさん(訳アリ)』もいることを考えると、ケースバイケースで対応することが肝要なんでしょう…


とにかく…そんなおじさんへの対応としては…

①成果を上げさせる
長年のキャリアの分、若手よりは仕事が出来る(と思われる)ものの、高給(例えば若手の2人分の給料とか)に見合った働きが出来ている方は少ない。
何とか、本人であるおじさんに頑張ってもらう。

②期待を下げる
おじさん本人に期待が出来ないのなら、会社側の期待を下げることも必要。
「働きに見合った給料・待遇へ引き下げますね」
ということです。


③関係を解消する
いわゆる退職して頂くこと。
早期退職等も含めて、雇用主・労働者の関係を断ち切ること。

当たり前ですが、この3つです。


会社としては、選択肢はこれのみですよね。究極。

ただ、この本はこれだけで終わらず…

タイトル通り『働かないおじさん』のトリセツにかなりのページ数を割いています。

①人事向けのトリセツ
同じ仕事を続けている人ほど『働かないおじさん』になりやすい。飽きや退屈が悪さをする。
給料と成果のギャップに、面談等で早いうちに気付かせることが大事。もちろんその後の対応もとても大事。

②上司向けのトリセツ

部下に対し、本音でぶつかる。ダメ出しを潔くする。
本人の話にしっかり耳を傾ける。根性論で片付けない。

③同僚向けのトリセツ

『働かないおじさん』の直属の上司に相談してみる。
上司も人間であることを考慮。上司以外の立場でも自分事として、出来るだけ問題に取り組む。

…もちろん、他に本人向けのトリセツもございます。

サラッと書きましたが、この本の魅力の5%も語れていない自分が不甲斐ない…

ゆるゆるながらも真面目に書き出してみましたが、特にお堅い本ではありません。
『働かないおじさんあるある』とか…
(あー、こんなおじさんいるなーというか、いたなー)
と、スッと心に入ってくる例えもあって秀逸。

ただ単に…
「クソッ、あのタヌキ。上手い事会社に居残ってズルい…」
と牙を剥き出しにするのではなく、頭を冷やして建設的な対策をするのにぴったりな一冊だなと読んでいて感じます。

是非、機会がありましたら「働かないおじさん問題」のトリセツ 手に取ってみてはいかがでしょうか?

コメント

  1. りご より:

    セミリタイア―からすると働かないおじさんは最もかわいそうな存在だな
    憐みしかない。

    • ある より:

      向上心は溢れているけど、結果的に『働かないおじさん』になってしまった人だけではないでしょうしね…
      チャラけたおじさんもいれば、退路が塞がれてしまって息苦しい思いをしているおじさんも多いと思うので、何だか色々考えてしまいます(-_-)

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