労働者を奴隷扱い。骨までしゃぶる『蟹工船』感想。

幼い頃の楽しみとして、地域の図書館で学習漫画を読むことがありました。
(図書館で漫画をタダで読めるなんて、素晴らしい)
と当時の私は思ったものです。

皆様も、地域・学校の図書館や図書室で読み漁った方もいらっしゃるのでは?

社会人になってからは図書館はほとんど行かなくなりましたが(返却が面倒だった為)学習漫画自体は時折自分で買って読んでいました。

特に『まんがで読破』シリーズは有名なので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

そのシリーズがKindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)【端的に言うと、一定の範囲内の本の読み放題サービス】で大放出されていたので、懐かしさを感じて読んでみました。


『蟹工船』(作者は小林多喜二)を。

私は正直、純文学の類は文字としてほぼ読んだことがなくて、大体は漫画で内容を知る派。

さて件の『蟹工船』を読んだ感想としては…

『資本主義』のいやらしいところだけをギュッと濃密に凝縮した話ですね。

蟹工船は、漁を行い、それをすぐさま船の中の工場で蟹の缶詰として加工する船。
なぜなら陸の工場まで運んでいると、鮮度が落ちてしまうから。


それだけ聞くと、ふーん…という感じですが、そこで働く労働者の待遇が悪い意味で凄い…

そもそもの始まり。今で言う日雇い労働者や純朴な学生等を半ば騙して蟹工船に乗せます。

長時間労働、劣悪な食事や、不衛生な環境。
怪我や病気にも厳しいし、そこで亡くなっても、ロクな弔いもせず…
そんな胸糞悪さをじっくり描いているお話です。

そんな中、労働者側は大きな代償を払いながらも、最後は皆の総意で『ストライキ』を成功させます。


このお話のように極端に劣悪かつ非道ではありませんが、日本のブラック企業に相通じるものがあるなと思いながら読み進めました。


閉鎖された(ように見せかけている)空間での、独裁者さながらの命令とか指示なんてまさにそのものですね。
働いて働いて、ノルマを達成しろ!
日本人は勤勉であれ!これぞお国の為、社会貢献!
言っていることはご立派であっても、所詮労働者は使い捨てというのが何とも…アレです。


働いてくれている人がいるからこそ、この世は成り立っているということを忘れてはいけないな…と身が引き締まった時間でした。
別に自分を卑下するとかではなくて、純粋に変な謎の思い上がりは人をダメにするな、と。

…そしてこれを書いている現在の時事と照らしてみると、何とも言えない気分になります。
そう、北海道知床の某観光船の事故。
あの件は、私が偉そうに断じて語れるほど単純ではないですが、事故の一因には無茶な利益追求があったのではないかと思っています。
○○のせいだ!と糾弾するのは簡単ですが、社長、船長だけではなく…最悪な結末の背景には色々と複雑なものが潜んでいそうです。
救助部隊の連携にしても…ね。
と、話が逸れてしまいまして申し訳ないです。
この件はまだ解明されていない部分が多いのでこれ以上お話するのは控えます。




こちらの『蟹工船』、皆様も機会がありましたら、読んでみてはいかがでしょうか?

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