パラサイト半地下の家族が怖い。ホラーですか!?

Amazonプライムで視聴出来るようだったので【吹替版】の方を見てみました(2022年2月現在)
ホラーコメディのようなサスペンスホラーのような映画ですね。
前半の(ある意味)ホラーと後半のホラー感は似て非なるものだと評されそうだけど、私はそう感じました。
でも、一般的にはこの映画はホラーとは言わないんだろうな、きっと(;´∀`)



感想を少々。

『貧富の差』から生まれる光と闇。


光の中の闇。


闇の中の光。


この対比する情景を、境遇が正反対の2つの家族を軸に上手く表現しているなと思います。



光(富豪)の中にいると、身近な人とすら距離を置いて心が分からなくなったり、変なこだわりや潔癖が出たり。それゆえに無意識に妬みや嫌悪の感情を抱かれたり。
けれど、世間の羨望を集めて、金銭的には豊かな暮らしが出来る。

闇(貧困)の中にいると、無計画で場当たりなことが自然と多くなり、卑しさや妙なのし上がりを夢見たり。…それゆえに大事な何かに気付かなくなったり。
けれど、家族や、身近な人との絆を重視し(せざるを得ない)人間味のある生活が出来る。

両者の立場が交わる時、どんな化学反応を起こすのか。
そこが魅力的な映画です。


端的に言えば映画のタイトルに『パラサイト』とあるように『貧困家族』が『富豪家族』に寄生し、利用するお話。


その完全に寄生するまでの過程がコメディで楽しいのですが、人間のエグいところを見せつけられる意味でのホラー要素もあったりして、なかなか複雑な心境にさせてくれます。
映画の前の方に出てきたコメディでしかなかった謎の石がこんなところで活躍(!?)するのか、とか。
『富豪家族』の豪邸と『貧困家族』のボロ住居のシーンが切り替わる度、落差が苛烈…
その場面ごとの何気ない動作や表現が小説で言う隠喩のような感じに仕上がっているので、自分なりに考察するのも楽しいかもしれないです。
(このシーンは、きっとこういうことを表現したいんだな…)
と、私も推理…と言うのはおこがましいですが、考えながら楽しみました。

後半は割と物理的にホラーがあるのですが
「どーしてこうなった!?」
という疑問を個々の登場人物の身になって考えると、より深みを感じます。


特に『貧困家族』のお父さん。
なんだかんだ家族の中では、一番良心の呵責が強い人なのに、なぜ…という行動を取ります。

ちなみに、勧善懲悪のめでたしめでたしという訳ではなく。

仄暗さや人間としての矜持を感じさせながら、一筋の希望を感じさせるようなラストです。


この現代を生き抜く大変さ、何が大事なのか、どうすればそれを守れるのか?


中だるみという中だるみは見当たらず、釘付けになるこの映画。


きっと見た後には、心に何か残るはずですので、よろしければ是非ご覧下さい!

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