少し昔の本ですが、気になり読むことに。
精神科医のみた教育の危機、ということで当事者視点と違って良くも悪くも俯瞰的。
『先生が壊れていく』というストレートなタイトルです。

恐らく中古本として販売しているか図書館にもしかしたら置いてあると思いますので、ご興味があれば。
さて、内容ですね。
相談に来た先生の個別事例がたくさん掲載されていました。
冷静かつ客観的に書かれた文章であるけれども、先生それぞれの生き様が刻まれています。
まぁ『生き様』と偉そうに言ったところで、私は教職を経験したこともなければ…教師の業務内容に精通している訳でもないのでアレですが。
それはひとまず置いておきまして。
多岐に渡る、もしくは過度な(いや両方?)業務内容に疲れ果てて病んでしまう先生もいれば…
人の視線(①自分から見ての同僚・管理職②児童生徒③保護者④地域住民⑤社会全般)に精神的に疲労困憊する先生もいれば…
自分なりの教育方針、自分なりの先生像を追いかけるあまり悪い方向に猪突猛進してしまい、ちょっと自業自得タイプの先生(そもそも教師に向かない?塾向け?)もいたりと、まさに千差万別。
先生と言えども、普通の社会人と特に変わらないよね。人間だもの。
医療従事者の立場ならではの気付きもあり、なるほどなぁと納得することも多数。
例えば『安易に先生に都合の良い診断書』を出すとか…一時しのぎという意味で。
先生のキャリア(今後の教師人生)を深く考えずに、言われるがままの歪んだ診断内容…は確かにアレですよね。
ただ、これは難しい問題ですよね。
結局スポンサーは患者さん側ですしねぇ…うーん。
こういうのは…やっぱり学校、そして社会のシステムを改善していくしかなさそう。
それにしても学校の先生か…
私自身は、久しく『学校』というものから離れていますが、大変ですよね。
自分の学生時代を思い出してみれば、やっぱり『部活』関連が印象的だな。
通常の勤務時間外に活動しますからね。
運動部の様子を見ていると…平日の放課後はもちろん、土日の練習や練習試合。
それにまつわる段取りや準備等…
何なら自分の車に生徒や部活動の荷物なんかも詰め込んで、気分は執事。
そういうのを当時は…
「まー、先生だもんなぁ」
と、それが当たり前のような感覚で見ていましたが…今思うと首を傾げる案件ですよね。
教師は聖職者だなんて言う人もいるけど、それは違う。
確かに尊い仕事ではあると思いますけど、先生も生身の一個人の人間。
問題解決に向かおうとするのなら…その大前提を思い出すことからなのでは?と思います。
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