新聞のお悔やみ欄で同級生を見た時

正確には『恐らく亡くなった』というのが正しいです。

当時20代後半の時に、母が新聞のお悔やみ欄を見て私に教えてくれました。
自分は新聞のお悔やみ欄をチェックする習慣がなかったので、母が気付かなければ多分ずっと知らないままだったでしょう。
当時の私と同じ歳。名字は変わっていなく、住所も恐らく実家か、その近く。
お父さんが喪主。
無機質な字面であるからこそ、真実を強く実感しました。




彼女は高校1年の時、たまたま同じクラスでした。
そしてたまたま出席番号順が私の一つ前で。
たまたま出席番号順で席を決めていた期間があったので、物理的には近い距離感の時も。
でも、お互い所属するグループ属性は違っていて。
プリントの配布、回収等の義務的なものでは関わっていたものの、正直言えば関係は薄く、友達ではなかったです。
本当に、ただの偶然の…クラスメイトの1人。



彼女がいた賑やかなグループの中では比較的控えめで、かと思えば短髪の長身スポーティー女子。
授業中、顔を前に向ければ、その子の黒髪が映えていた覚えがありますね。


…でも、それだけ。


高校2年になれば彼女とは別のクラスになりました。
当然友達ではないので、進路も知らないし、就職先だって知らない。
病気していた(闘病していた)のか、突然死や事故死だったのかだって知らない。
連絡先は、当然のごとく知らない。
彼女が亡くなったことさえ、最終的な意味では確信は持てない。



清々しいほど、何にも知らない、元クラスメイトその①です。


…でも。
数ヶ月、席が変わるまで彼女は私の前に座っていて、授業を受けていた。
それは確かな事実で。


そのおくやみを知った日の私は、普通に出勤し、普通にいつものメンバーと仕事をして、いつも通り1日を終えたけれど…

というか、世の中の大多数にとってはただの何の変哲もない1日なんだろうけど…

そんな毎日の中で…
私の親族はもちろんのこと、仲良くしてくれている人だったり、知っている人が、これから亡くなっていくのを経験していくんだろうな…
いや、逆に私が唐突に亡くなることだって普通にあり得るわけで…

そんなことをグルグルと頭の中を巡った、あの日。










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