皆様の会社、職場に『出向』というものはありますか?過去にありましたか?
親会社、または子会社に行ったり。
懇意にしている取引先のアドバイザーや助っ人として行ったり。
逆に取引先やお世話になっている会社や組織に教えを請う為に行ったり。
はたまた、人脈やしがらみの為だけに行ったりすることもあると思います。
私の前職の会社にもありました、その制度。
『そういえば、厄介払いにも使われるよなー出向って』
そのような側面もあると思います。片道切符というヤツですね。
さて、話は数年前の朝礼の場面。
人事異動で、私の職場に1人の50代男性が着任しました。
家柄の良さそうな雰囲気と洗練された佇まい。
今で言う、イケオジかもしれないです。
この男性は、今まで出向を経験して、自分の会社に舞い戻り、この部署に配属されました。
本人の着任時自己紹介話によると、出向先は酷かったらしく、草むしり等の雑用くらいしかさせて貰えなかったと淡々と語ります。
今までは今までとして、これからは心機一転頑張ります!という話よりも、そこでの仕事、仕打ちや恨み言を吐き出していた感じでしたね。
でも私はこの方の気持ちは少し分かります。
というか、人事異動や転職を経験された方は分かると思います。
新天地の会社や職場、リセットボタンを押された人間関係、慣れない仕事…
暗澹たる気持ちになり、職場に行くことすら億劫になりがち。
出向先でどのような立ち振る舞いをしたのかは不明ですが、辛いし、心に堪えるのは確か…
かつてその方は、あと一歩二歩頑張り抜けば会社の上層部に手が届くくらいの、言わば出世街道邁進中の人物でした。
なので、この出向はそのプレミアムチケットを想定しての人事だったと推察します。
…しかし、残念ながらそれはうまく行かず。
今まで花道を歩いていた人にとっては、閑職に追いやられた形でしょう。
はっきり言えば『出世の道は断たれた』ことに。
一緒の空間でその男性に仕事のことでお願いをすることがあっても
「○○さんに頼んでー。俺、分かんねぇ」
「そーんなに仕事出来ないよ」
みたいな感じが多かったような気がする。
もちろんいつでもそんなやる気がない感じではないのですが、割合的には気怠さが滲んでる時が多いので、イメージが…その…うーん…(;^ω^)
出向前からこんな感じの人柄、性格だったのかは知りませんが、少なくともその時は
『とりあえず、定年まで無難にやり過ごそう』
省エネっぽい雰囲気だったなぁ。
何が言いたいかといいますと、何かのきっかけや物事の切り替わり1つで当たり前に続いていたものがぷっつり切れることは良くある、ということ。
そう『諸行無常』だな、と感じました。
それを良しととるか、否ととるか、それはその人次第ですが。
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