『もらい水』ブラックジャックのアニメを見て。

実は、このブラックジャックのアニメ(ジャンヌダルクの月光花が主題歌だった頃の作品)はリアルタイムで見ていました。
この『もらい水』も、アニメの1話30分枠を使って放送された作品。

この間、久しぶりにこのお話を見返したのですが、今見ても色々と考えさせられるな、と。

ざっくり言うと、医者である息子夫婦にお世話になっているおばあさんが1人。

息子の病院で寝泊まりしているおばあさんは、新たな患者さんを受け入れるスペースを確保する都合上、自分が外泊をしなければならないことも多く…

しかし、泊めてくれそうな知り合いを訪ねるも断られ…途方に暮れているところブラックジャックと出会います。

彼がウチに泊まらないかと声を掛けるも、それをお断りするおばあさん。

…彼女は懐かしい思い出の詰まった山奥の別荘へ。

事件発生。おばあさんの危機。

医者であるおばあさんの息子は、母親は自分が診ると主張。
断るブラックジャック。
自分の母親を今までさんざん蔑ろにしておいて今更なんだ、と。

大金を積めば、治療する権利を譲ろうと提案。
その提案を呑む、医者の息子。いや、それ以前に彼女の息子として。

そのようなお話です。

リアルタイムで見た昔は、ただただおばあさんが蔑ろにされていて可哀そう…と思っていました。
おばあさんに全力で感情移入。

…あれから長い時を経て、もちろんおばあさんに対する同情は寸分も薄れず。
しかしながら、それだけではないもっと深い何かをも感じた気がする…

言語化がとても難しいんですけど…

昔の時代に描かれた作品のアニメ化だからこそ、このおばあさんは…
『子供の頃は親に従い、結婚したら夫に従い、老人になったら子供に従う』
という思想の模範のような人物である気がする。
自分が我慢することで、息子の病院や家庭が平穏無事ならと…耐え忍ぶ性格。

視聴者がある程度年輩、もしくは昔の考えの人であるなら…
「息子夫婦の為に、なんと健気で高潔な精神をお持ちの老婦人なんだろう」
という人が大半かもしれない。

しかし、現在比較的若い世代の人が見たら…
「そこまで自己犠牲しなくても…別の場所で1人暮らしすればよくね?」
と思ってしまうかも。

これはどうしても時代背景や環境が違ってきているので、仕方ないズレだろうなと思えます。

何だか冷静な感じで語っていますが、おばあさんの境遇を淡々と追い続けるアニメの演出には涙…


概ねひねくれている私ですが、こういうのに意外と弱いのです…

よろしければ、一度ご覧下さいm(__)m

ご老人について考えさせられる作品と言えば、個人的に非常におすすめしたい映画があります。
それは『プラン75』(私が見た時は、Amazonプライムで視聴出来ました)という作品。
その映画について無駄に熱く語っているブログ(PLAN75【プラン75】の映画に抉られる…)もあるので、ご興味があれば併せてお読み下さると嬉しいです。

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