ああ、何だろう。
『親ガチャ』という、妙にポップな言葉で表現していいのか悩ましい。
いやまぁ、本のタイトルになっているんだから良いんでしょうけどね。もちろん。
ガチャとして考えるのならば、少なくとも当たりではないだろう。
世間一般とかそういう目線は別として。
主人公を含めた子供達からすれば、理不尽&ヤバい家ルールがあるし。
この本を読んで…
「こんな親子のカタチは珍しくない。もっと外れ(の親)も世の中にはいるし」
とバシッと言い切れる方は、ほとんどいないのではないだろうか。
言えるとしたら、これ以上の過酷な環境を生き抜いてきたサバイバー。
もしくは、ネジが99本くらいすっぽ抜けている御仁かもしれん。
そう思わされるほど『親ガチャにハズれたけど普通に生きてます』という本は結構ヘビーな内容。
ただ…漫画なので読みやすい&作風が柔らかめなので若干緩和されているのが救い。
以前私は、親ガチャについてのブログ(親ガチャでランクは決まる!?)を書きましたが、この時は経済的なところをメインで書きました。
しかし、この作品は単にそれだけではないですね。
確かに『親ガチャ』のお話なのだろうけど、『毒親』と向き合い、時に寄り添い(不本意でも)、反抗し、そして突き放し…そのような生々しい泥臭い親子関係を描いたお話だとも言えます。
主人公が努力家の頑張り屋さんで、かなり忍耐強いところに尊敬してしまう…
私が爪の垢を煎じて飲まなければならぬ…うん。
本の内容をかなりざっくり言うと…
①両親が離婚
②母と義父(母の再婚相手)が2人の子供(主人公とその姉)の面倒を見る
家庭での子供達への風当たりがスゴい。
訳の分からないルールや謎理論がある。
子供達へ使うお金をケチる。
というか、子供達が稼げるようになったらむしろお金をかなり請求する。
※マンガから抜粋
③何やかんやあって母が自○する
ここから主人公がかなり無理をして自分を変革していく。
人から良く見られるように、輝くように自分を磨いていく。
ただそれは…自分にとって虚像であり、やがて苦しくなり…
ついに主人公は自○未遂を起こす。
自分と母の姿が重なる。
この事件を機に、主人公から離れていった人がたくさんいた。
しかし、変わらずに残ってくれる人もいた。
支えがあるからこそ、生きていられる。
等身大で生きることは素晴らしい。
私の拙い説明だと…かなり端折っているしイマイチ伝わらないとは思いますが、良い本だと思います。
正直、読んでいる最中は胃がムカムカしたり、心臓に何かがグサグサ突き刺さる感覚があります。
何と言うか、ただ読むだけなのにものすごく気力や体力を使う感じです。
でも、これが逆にいいところだと思います。漫画とはいえ、サクッと読めないところが。
そして、読後感は良い。
是非覚悟(?)がある時に『親ガチャにハズれたけど普通に生きてます』読んでみて下さい。
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