新卒で入社して数年後。私は20代の頃に一度、ハローワークに偵察へ行ったことがあります。
その頃は本気で転職するつもりではなくて『仮に』辞めたとしたらどのような企業があるのかを知りたかった為です。
やはり、現実は厳しかったですね。
当時は現職である事務職の条件で探していました。
薄給、賞与なし、退職金なしはゴロゴロ豊作。
待遇ばかり見て贅沢だな…と思われるかもしれませんが、ぶっちゃけ一番重要です。
そうでなければ大企業があんなにも人気なはずはないですし。
同じ仕事なら規模の差はあれど中小企業でもあるんだから、ね。
『やりがい、自己成長、地域貢献』はそれは素晴らしいことでしょう。
ただし、それは自分の金銭的・時間的余裕、強いては心の余裕が前提にあればこそのもの。
『武士は食わねど高楊枝』
を地で貫き続けるのは多くの人にとっては苦行そのものですので…
今思えば、私自身、ハローワークだけではなく他の転職サイト等も見ておけば何かが変わったのかも…と思わなくもないですがそれは後の祭り。
このように転職市場の現実を見て怖くなり、在職中に転職を躊躇い、結果的に動かないまま現状維持でズルズルと数年、十数年と経過していくパターンは多いのではないでしょうか。
かたや、在職中ではなく辞めた後に少し休んで転職しよう(していた)という人。
会社に大きな動き(構造改革、リストラもどき等)があったり、ブラックに染まっている企業に耐えられなかったり、自分の性格に合わなかったり、雇用条件に納得いかなかったり様々理由はあると思いますが、大抵心が擦り切れた後です。
悲しき真面目な国民性と言うのか、愚直に働いてダウンした時には既に心と体が悲鳴を上げていたりする人も多いと思います。
ところで、少し前の記事ですが…
恐ろしい…日本で「働かない15歳~39歳」が急増しているワケ【幻冬舎ゴールドオンライン1/26(水) 9:31配信】
というのがネット記事にありました。
ご興味があれば詳細は検索等でご一読下さいm(__)m
その記事では、なぜ働かないのか?という問いに対し、この年代くくりで最も多かったのは「病気・けがのため」33.5%だそうです。
私が思うに、この中の病気には当然ながら精神的な類も多く含まれているのではないかと推察。
次の答えで多かったのが「知識・能力に自信がない」11.8%なのを鑑みると、2つは繋がっているようにも思えます。
自分なんかどうせ…と自信がない=精神を病んでいる
このいわゆる『働かないお兄ちゃん&お姉ちゃん』は、もちろん諸事情により一度も働いたことがない方もいるでしょう(個人的な意見としては15歳から高校卒業くらいまでは除外してもいいような気がするんですけどね…)
しかし、働いたことが一度でもあるからこそ、自分自身に自信がなかったり、病んでしまっている状況になっている方もこの中には多く含まれているはず。
一般的には働き盛りの年齢層な訳ですから、当然と言えば当然と言われればそれまでですが。
推察の域を出ませんが、もう一度会社に飛び込んでいくのに恐怖を覚えている方が多いと思います。
というか、それ私です!!
なまじ会社という組織を経験して、厳しさ辛さ大変さが身に染みているからこそ。
そこで味わった気疲れする人間関係、会社の規則・謎ルール、無茶な仕事配分等々で疲弊した思い出が鉛のような重りのごとく、足を引っ張ります。
そして、人手を募集している会社ということは、当たり前ですが人手不足で猫の手も借りたい!という多忙な環境であることが大半。
現在会社にお勤めの皆様、そしてかつてお勤めだった皆様も実感としてあると思います。
大企業や、はるか昔ならいざ知らず、人が1人辞めたくらいではなかなか『中途採用』には踏み切らなかったのではないでしょうか?
『今いる人員だけで、抜けた人の仕事を頑張ってカバーして行こう!チームワーク万歳!』
そんな感じで今残っている職場の人達が頑張って、無理そうなら他の部署から人事異動で引っ張ってくる、それでも円滑に回らなくなったり、悪循環でさらに人が辞めたりして、やっと『人を補充』という段にいきませんでしたか?
そんなことが頭によぎると、転職する若者側からすればますます重い腰にならざるを得ない感じに。
前の会社を何らかの理由で辛くて辞めたのに、同じ轍を踏むことになりかねない…
警戒心全開になるのは至極当然。
恐ろしいのは、果たして『働かない若者』なのだろうか?
会社だけに何もかも望むのは酷だとはいえ、あまりにも労働者を軽んじているような気がしてしまう…
労働力を使うだけ使って、搾り取るだけ搾って、ミスをすればとっても丁寧なお説教。
そして改善案を提出しろと指示をされる。
「私の注意力不足です。以後ミスが起きないように気を付けます」
自分の頭が悪い。自分の要領が悪い。自分だけが、悪い。
そのように追い込まれた人がどれだけこの世にいるのだろうか?
ミスが起きた本当の理由や原因を考える心の余裕もないままに。
この記事を読むと、色々と考えさせられることが多かったです。
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