チップシステムに見る、労働への意欲

某金融雑誌に触発されたので、ゆるーくお話ししてみようかと。


日本の賃金労働は、よほど飛び抜けた逸材でない限り、大体が一律賃金に近いシステムなのではないでしょうか?


良く『バイトリーダー』という名の都合よく使える人材を各所で取り上げられますが、あれが典型かなと。
責任だけはたっぷり押し付けられて、時給はほんの少しだけアップ。
(これならヒラの方がマシだよ。騙されたわー)
という人もかなりいるのではと思います。

いや、このようなケースでなくても…
業種問わず、あまりやる気がなく時間が過ぎるのをテキトーに待っている人と、与えられた基本的な仕事をこなしながらも愛想よく積極的に同僚やお客様の為に動く人…同じ時給というのはよくある話。
(こんなん、やってられるかーッ)
とちゃぶ台返しでもすれば少しは経営者に響くかもしれませんが、実際は大人しく従っちゃうのが我々日本人の大多数。

大・大前提として搾取する企業も大概アレですが、それを助長してきた部分も雇用される側にあった…とも言えます。

「俺達(私達)の権利は、自分の手で勝ち取ってやる!ウォォー!!」
という気骨のある人、団体、雰囲気が今の時代はないような気がする…



「どうせお先真っ暗さ。諦めるしかねぇ。後はいかに出来るだけ楽するかどうかだわな♪」
という思考に近い方が多いような気が。私自身も大枠ではコレですねー(*^▽^*)



これが良いとか悪いとかよく分かりませんが、労働自体にやりがいや楽しさを感じる人にとっては何ともやる気を削ぐシステムだと思いませんか?

もちろん、皆食いっぱぐれなくて、最低限の生活を送れるくらいの賃金があればいいだろ?というご意見もあるかもですが…

何といえばいいのだろう…
『資本主義』でありながら『社会主義』のような待遇を与えられているような歪な気持ち悪さと言いますか…うーん…言葉にするのは難しい。

その点、外国のチップシステムは、労働意欲を刺激しますよね。
お客様がダイレクトにチップで労働者を評価する。(慣習と化している面もあるとは思いますが…)
労働者も頑張れば頑張っただけお金という目に見える対価を頂ける。



お客様側も様々な方がいらっしゃるだろうから…
「君のきっちりした所作が素晴らしいよ。丁寧な仕事だね」
「あなたの笑顔は素敵ね。おかげで楽しいひとときを過ごすことが出来たわ、ありがと」

対価としてのチップも、意味合いや評価が個々人によってそれぞれ違ったり。


労働者のやりがいとかそういう概念的なものではなく、より具体的。

…話は少々ズレます。
私は、好んで良く外国を旅する動画を見たりするのですが、とある動画で車のフロントガラスをちょっとした隙間時間(信号待ちとか)で綺麗にする人がいました。

いい仕事をしてくれたな!と思えばチップを。
こりゃダメだ!と思えば、ノーチップ。

考え方によっては、特に精神的に残酷なシステムかも。

とはいえ…個人単位で日常的に人をお金で評価するというのは、日本人からすれば新鮮&ある意味不思議な文化に思えたり。


そういう『クセ』というか『感覚』は、大事なんだろうな…と思えました。

人を評価するのは日常。つまりは自分が評価されるのも日常ということだから。
自分の『価値』に真摯に向き合える、そんな気もします。


↓とはいえ、こんな光景が引き続きまだまだ日本では見られそうではある。

(サボってゲームサイコーだぜぃ!!)

…その一方で。

↓疲労困憊。ストレスまみれ。

(はぁはぁ…今日の栄養ドリンクはど・れ・にしよーかな。最近どれを飲んでも疲れが取れないんだよなぁ)

これは極端ではありますが、良くも悪くも日本らしい采配はしばらく続くのでは?と思います。

コメント

  1. 永谷園 より:

    インセンティブでニンジンぶら下げられて働くのも、
    日本的な指示待ち迎合も広義の意味では変わらないですよ。

    有名な「三人のレンガ積み」の話に例えるとわかりやすいです。

    中世のとある町の建築現場のお話。
    三人の男が仕事でレンガを積む作業をしています。
    すると、そこを通りかかった人が、作業員に「何をしているのか?」と尋ねました。

    一人めの男は「親方の指示でレンガを積んでいるんだ」と返答。(指示待ち)
    二人めの男は「食うために働いているのさ」と返答。(報酬目当て)
    三番めの男は明るく顔を上げてこう答えた。
    「後世に残る町の教会を造っているんだ!」と返答。

    マネジメント的には、三番が意識高い奴隷として最も価値があるとされますが、
    志も高く賢いので、経営側がストーリーを描き切れないと自分の求める方向に転職したり独立してしまいます。

    • ある より:

      お客様が直接ニンジンを与えるか、雇い主がニンジンを与えるか…どちらにせよ確かに同じですね。
      報酬をモチベーションとしている人にとっては、チップはテンション上がるでしょうけど…エサに釣られていることには違いない訳で…なるほど!

      「三人のレンガ積み」面白いお話ですね。
      特に一人目の男は、日本人の典型。謎にドヤッてそう…(妄想です)親近感が沸くなぁ(;´∀`)
      三人目の男のように報酬以外のしっかりした志があれば、理想とかけ離れた状態なら現状打破の為に色々と動き出しそうですもんね…
      それを考えると、経営者からすれば素晴らしい人材が手元にいる状態は奇跡というかとても幸運なことなんだろうなぁ。(何目線!?)

      色々と考えるきっかけをありがとうございました!

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