本題の感想に入る前に、少々お付き合い下さい。
~マルチ商法への規制一例~
【勧誘目的だと伝えずにアポを取ってはいけない】
つまり正統派とは…
「マルチ商法に勧誘するから、バーベキューに来て!」
「会わせたいマルチのカリスマがいるのよ!もうスゴイのよ~アタシの師匠なんだけどさぁ」
【絶対儲かるなどの誇大表現を使ってはいけない】
つまり正統派とは…
「ウチら色々夢を謳ってるけどさ…実は会員のうち○%(リアルな数字・リアルな現実)しかウハウハな自由人生活してないのよねぇ。しかも自称」
包み隠さず、話す。
【強引で迷惑な勧誘をしてはいけない】
つまり正統派とは…
「ごめんね、時間取らせちゃって。帰る?うんうん、どうぞ!じゃあねぇー♪」
【家に招いて勧誘をしてはいけない】
※公衆の出入りする場所以外の場所において勧誘してはならない。当然個人の住居はだめ。
つまり正統派とは…
「家?連れ込まないよ!うち、正々堂々のマルチ商法だから!安心して」
…いやいや、こんなクリーンなマルチ商法見たことないわい!!
とツッコむ方が、多数でしょう。
私もぶっちゃけそう思う。
私自身かの有名な『アムウェイ』に関わったことがあるので(アムウェイヤバイぞ!体験談を参照下さい)実際のところを多少分かっているつもりです。
強引な手や小賢しい手を使ってこそ、マルチの醍醐味やろ!という認識すらありますよ…私は。
ただ、そのような強引で貪欲なマルチ商法であっても吞み込まれてしまう方々もいる。
その様子を克明に記されているのが、こちらの『妻がマルチ商法にハマって家庭崩壊した僕の話。』という本です。
最初は奥様への些細な違和感。
きっとこれで大丈夫なんだという思い込みと、半ば見て見ぬふりのような態度を経て…
奥様はどんどんどっぷりとマルチ商法の沼にハマっていってしまいます。
気が付いたら、時すでに遅し。
笑顔なのに、目が笑っていない。まるでガラス玉の目。
周りとの人間関係が崩壊し、そして家庭も崩壊する。
ついには奥様と離婚調停を経て離婚成立…という結末。
著者の方が、淡々と文章で表現されているので読みやすい(という表現でいいのかな?)ということもあり、読み手側としてそこまでの絶望感を感じずにすみましたが…現実にあったことは絶望そのもの。
当事者の文章は心にグッと刺さります。
著者の方以外の実体験も紹介されており、様々な角度・パターンがあるのだと読んでいて思いました。
「途中で何だかおかしいなと思ったら、その時にすぐ調べてみたら(ネットや本とか色々)いいのに…」
と思う方もいると思います。
しかし、調べるとそのマルチ商法を疑っているような、そして裏切っているような気がして嫌…とブレーキがかかる方もいらっしゃるよう。
…何となく気持ちは分かる。
『調べたら負け』
みたいな感じ?
もしかしたら…日常生活でスーパーの卵1パック買う為に、いちいち詳細を調べない…そんな感覚に近いのかもしれない。
ある意味、麻痺しているというか。
機会がありましたら、『妻がマルチ商法にハマって家庭崩壊した僕の話。』是非一度読んでみて下さい。
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