『サイゼリヤおいしいから売れるのではない売れているのがおいしい料理だ』の感想。

サイゼリヤの手腕、つまり様々な面でとことん効率の良いお店の回し方というのは、昔から有名ですよね。
ただ…私自身、ぼんやりとスゴいなーさすが大手企業は違うよなーというくらいの知識・認識でした。

(そうだ!一度サイゼの本を読んでみよう)
と何故だかいきなり思い立ち、読ませて頂きました。

こちらの『サイゼリヤおいしいから売れるのではない売れているのがおいしい料理だ』という本です。
サイゼリヤ創業者が書かれた本なので、巷では超有名(だった?)なので、読まれた方も多いのではないでしょうか?
私もだいぶ遅ればせながら。

率直に言って、面白いビジネス本でした。
消費者側に立てば当然のことなのに、経営側に立つと途端に霞がかるというか、別のフィルターでしか見られなくなる方がどれほど多いことか。
そこを潔く一突きしている爽快な内容でしたね。

私自身、飲食店を無駄にほっつき歩いているので、イマイチなお店は一定数見てきました。
(あ、いい感じのお店だ…)
と自分のフィーリングを信じて入ったものの…
(騙し討ちされた気分…もう二度と来ない)

思い返すと、すぐにとある飲食店の名前がポンッと出てくるのですが、さすがに営業妨害なので控えます。
もしかしたら皆様の脳裏に今、浮かんだお店かもしれません。…分からんけど。

さて、本の感想をほんの少しだけ語ります。

飲食店の経営側からすれば、1番人気の料理は「おいしいから売れている!」だからもっと宣伝に力を入れて売上アップや!という思考になります。
でもこれは、偏った考えの末の結論。

お客様「まぁ、他の料理よりはマシか」
といういわゆる仕方なくのチョイス行動。このような『マイナス』理由も十分あり得る。
結果的には、その料理で商売繁盛しているように見える可能性が。

実は類似店ではその3倍くらい売上があったりして…ナ、ナンテコッタ(;´Д`)
群雄割拠の様相である地域に店舗がある場合は、そのパターンが多いかも。

その場合は、当然ながら販促キャンペーンよりも先に、料理の質を高めることになります。

つまり、物事を色眼鏡で見ずに、ありのままに見ることが大事だよ!とこの本は教えてくれています。

『安心感がある値段』についての話も面白かったですね。

「オイオイ!最終的にいくら支払うことになるんだ?俺、ぼったくられねーよな?」
そういう心配ってストレスですよね。恐らく、誰でもこんな経験あると思います。

「オホホ…このホニャララドリアから最後のメニューまで全て頂けるかしら?」
金額無視のお上品な貴婦人。
セバスチャン、払っておいてね?と大衆飲食店で扇子を広げて微笑むマダムはなかなか想像出来ないし。

さて、お店側のコツとしては『商品間の価格差を広げ過ぎない』こと。
例えばパスタカテゴリーなら一番安い価格の料理と一番高い料理の価格差を2倍以内に収める。
もちろんこれはサイゼリヤに限った話ではなく、実践しているところはやっています。

今、私がふと想像したのは、牛丼屋さん。
①牛丼400円
②和牛スペシャル牛丼~サルサヴェルデを添えて~1,000円

だったら、ちょっと…
「ウッ…」
「はぁ?アレ?」

ってなりませんか?
もちろん高級店なら話は違ってくるかもですが。

本の内容として他には…

マクドナルドをパク…(ゴホッ)視察する話。

『安売り』『お値打ち』の違い。


『大商圏向き』『小商圏向き』の味について。


そして、コスト削減の極意は特に面白かったですね。


『スタッフの多能工化』(キッチン、フロア…必要に応じてどちらもこなす)は、私がサイゼリヤにお客として行った時に強く実感した部分でもあります。

他にも具体的に工夫しているポイントやポリシーを多数紹介しています。

「これを読めば、経営の全てが分かる!」だなんて大ボラ吹きになるつもりはありません。
ただ…物事を、そしてお金の流れを俯瞰的に見られるようになる良書だと思いました。

有名な本なので既に読破された方も多いとは思いますが、読んだことがない方は気が向いた時にでも『サイゼリヤおいしいから売れるのではない売れているのがおいしい料理だ』読んでみて下さい。

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